40年前の 「フィリップソン」 を再生する!

加筆訂正 03/02/22 13:45:34


21世紀になってアメリカからやってきて、今日本でメバルを釣っているオイラのお気に入りの「 phillipson The SCOUT TS70L 」が、2003.02.08にとうとうガイドが逝かれちゃった。40年位前に新品ロッドとしてガイドを付けられ、その後20年位前にガイドを付け直されていたんですが、さすがにブランクの肌荒れがひどくなっていたので、いよいよ大手術する事となりました。

まずは、このゆがんでるトップガイドを外します、そのとき他のガイドは外しません。竿には曲がりの強弱位置があるので、今の位置がプロが決めた位置なので、今回はこの位置で取り付け直すことにしたわけです。
ライターでサッとあぶると、スルッと抜けてきます。

外したモノが、上のモノ。たぶんパーフェクションかなんかじゃないかと思いますね。
ブランクをノギスで計ると2.2mmあったので、富士のニューコンセプトガイド 03新モデルCMNST5.5H-2.2Nを購入しようかと思ったけど、接着剤の滓が付いていて入らなかったので、CMNST5.5H-2.4Nを購入してきた。結果的には、2.2Nでも良かったかもしれない。
これを、瞬間接着剤で、仮止めしてしまいます。さらに、先端の穴からも瞬着を注ぎ込み、トップを完全に決めてしまいます。
リングの取り付け形状が、ライン絡みを防いでくれるわけですね。リング径は5.5mmで多少小さくなり、リングがSICなので上のモノの半分以下の重量ですね。ここが軽くなることは、車のバネ下荷重が軽くなるのと一緒で、竿先の追従性が良くなるって事。つまり、感度が上がってくれるって事ね!

で、スレッドを外し耐水ペーパー1000番で段差を磨いて慣らして、綺麗にして瞬着で位置決めをしてしまう。そうしたら、残りのガイドを外して、ガイドの痕を綺麗に慣らしてしまいます。

こんな感じに、綺麗にしてしまいます。どうしても、表面塗装が古いモノとガイドが付いていた部分で、日焼けの感じが違う状態になってしまっているが、この辺は素材がいわゆる「タバコグラス」なので諦めざるをえません。まずは使えるようにすることが重要だから、気にしない。あえていえば、ここは塗装を厚くする程度の気持ちで良いわけです。

いちいち拾うのは面倒なので、ガイドはセットモノを購入したわけなんだけど、トップガイドだけはサイズが合わなかったのと在庫がなかったので色が違うけどまあいいやぁって感じ。何しろ夜しか使わない訳だしね。
ガイド間隔は、トップ→115mm→LSG6→120mm→LSG6→130mm→LSG7→140mm→LSG7→150mm→YSG8→170mm→YSG10→190mm→YSG16→230mm→YSG30と付くわけです。トップ含めて、9個だよ!いやぁ凄いねぇ。付けるの面倒だなぁ。

表面を仕上げる塗料は、U−40を使います。いろいろな評価はあるんだけど、特徴は塗った面が盛り上がらない点にあると思います。本来なら一発仕上げのフレックスコートで行きたいんですが、盛り上がらない部分はオイラの今回の狙いなの。これを2回塗り、3回塗りで仕上げたいんだよね。竿をストリップにした状態で刷毛塗りをしますが、この作業でのルールは塗り方向は一方行で一発塗り。刷毛を返しちゃいけません、これをやちゃうと表面が荒れます。難しいね。プロやメーカーは、ふたのできる容器でドブ漬けししごいて表面の無駄な塗料を捨てるようです。そうすると、、非常に薄く綺麗な仕上げになるらしいです。

スレッドは、塗った後にガイドの足が透けて見えるナイロンの細いモノを使います。透けて見える雰囲気を出したいために、薄塗りの出来るU-40を使うワケね。というわけで現在まずは表面塗装の乾燥中。どうしても、元々ガイドが付いていたところに付ける訳ではないので、塗装面に多少のでこぼこなんかが出来てしまうけれど、オイラは気にしない事にしました。

一日乾燥させて、ガイドを取り付けました。上手く巻けた2カ所を「遠め」で撮影しました。この辺は、技術力の無さとガイドのフットを磨くという大事な手間を惜しんだために妙な段差が出来たりして苦労しました。今までに4本竿を作ったけど、一番苦労した感があります。何しろ9カ所もガイドがあるのは始めてで、シングルフットもそういえば始めて。それにしては、上手くいったほうか?
全部括り付けて気が付いたのですが、竿に張りがでました。全く別物の雰囲気です。1.3cm〜2cmちょっとを巻かれた部分が、9カ所も出来て、補強されたのと同じ状況ですから、こんなモノなのかもしれません。とにかく、飛距離は期待できそうです。

一塗りした状況で、こんな感じです。良い感じに透けております。けっこう透け足は嫌われるんですが、私がルアーを始めた20年前くらいの竿は、みんなこんな感じだったんですね。だからこの感じには、妙に思い入れがあります。
もう一塗りして、仕上げといたしたいと思っております。

二度塗りでこんな感じに仕上がりました。デコボコとかは、あまり気にしちゃいけません。スケスケ感がセクシーで宜しい。

フィリップソンも!

スカウトもまだまだ何とか読めます。ツヤツヤで嬉しい!

で、こんな感じに完成です。

ティップ辺りもこんな感じになりました。昨晩使ってみましたが、今までとは全く印象の違う竿になりました。シャンとしたというか、シャキッと振り抜ける感じで、ジグヘッドが比較的ライナーで飛ぶようになりました。メバルを掛けてしまえば、よりブランクの曲がりに沿った感じで曲がってくれます。素晴らしい!

あとは、現地でトラブッたABU レコード444を整備し直してって言うか、パーツ取り用でない方のを整備し、ギア周りにグリースコッテコテにして海に持っていきましょう。で、全バラで2台のうち良いパーツを集めてくみ上げ、もう完璧だ!
このリールはスプール径が大きく、ギヤ比が小さいので糸よれが出にくいのと、重量バランスがグラスの昔のスピニングにはちょうど良いのですよね。こいつは、もう一台欲しい。まあ、444Aでも良いんだけど。エギングなどにも良いと見た!
と、思っていたらひょんな事から、スウェーデンからレコード444と444Aと333を同時に手に入れることができました。来週にはやってくるでしょうなぁ


 

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